マイクロ法人の社会保険料はいくら?最安にする方法

マイクロ法人の社会保険料は、実際いくらかかるのか?

個人事業主として国民健康保険料の高さに悩んでいる方は多いと思います。

私はマイクロ法人を設立し、個人事業主との二刀流で社会保険料を最安にしています。
その運用歴は4年になりました。

この記事では、私が実際に支払っている社会保険料の金額と、最安にするための役員報酬の設定方法、維持費を差し引いた本当のメリットまで、すべて実額で公開します。

目次

マイクロ法人の社会保険料はいくらかかるのか【最低等級の実額】

結論から書きます。

私のマイクロ法人で実際に支払っている社会保険料は、月額23,090円、年額にすると277,080円です。

内訳は以下のとおりです(保険料納入告知額・領収済額通知書の実額)。

項目月額
健康保険料(介護保険含む)6,670円
厚生年金保険料16,104円
子ども・子育て拠出金316円
合計23,090円

マイクロ法人の社会保険は「協会けんぽ(健康保険)+厚生年金」の2つです。
保険料は「標準報酬月額」という等級で決まり、役員報酬が月額63,000円未満であれば最低等級(1等級)が適用されます。

私は40歳以上のため介護保険料(介護保険第2号被保険者)が加算されています。
40歳未満の方は健康保険料がもう少し安くなります。

マイクロ法人はひとり社長なので、会社が年金事務所に納める金額がそのまま自分の実質負担です。
この月額23,090円の中に、会社負担分と個人負担分の両方が含まれています。

ポイントは、この金額が個人事業の所得に関係なく固定であること。
個人事業で年間500万円稼いでも1,000万円稼いでも、マイクロ法人の社会保険料は変わりません。

個人事業主だけの場合と比較|国保+国民年金はいくらかかる?

では、マイクロ法人を設立せず個人事業主のままだった場合、社会保険料はいくらかかるのでしょうか。

個人事業主が加入するのは「国民健康保険+国民年金」です。
国民年金は定額(2026年度で月額約17,510円)ですが、国民健康保険は所得に応じて上がります。
これが個人事業主にとって大きな負担になります。

所得別のおおよその年額を比較してみます。

年間所得国保+国民年金(年額目安)マイクロ法人の社保(年額)年間の差額
300万円約60〜70万円約27.7万円約32〜42万円
500万円約85〜95万円約27.7万円約57〜67万円
800万円約100〜106万円(上限近く)約27.7万円約72〜78万円

※国保は自治体によって金額が異なります。
上記はおおよその目安です。

所得が上がるほど国保は高くなりますが、マイクロ法人の社会保険料は年間約27.7万円で一定のまま。
つまり、所得が高い人ほど二刀流のメリットが大きくなります。

さらに、国民健康保険には「扶養」の概念がないため、配偶者がいる場合は配偶者分の国保+国民年金も別途かかります。
一方、マイクロ法人の健康保険には扶養制度があるので、配偶者を扶養に入れれば追加の保険料はゼロです。
この差は家族がいる方にとって非常に大きなメリットです。

【実額公開】二刀流4年間の社会保険料と維持コスト

ここからは、私が実際にマイクロ法人を4年間運営して支払った社会保険料を公開します。

4年分の社会保険料の推移

年度役員報酬(月額)社会保険料(月額)社会保険料(年額)
2022年度62,999円23,275円279,300円
2023年度62,999円23,136円277,632円
2024年度62,999円23,090円277,080円
2025年度62,999円23,090円277,080円

保険料率の改定により年度ごとに数百円単位の変動がありますが、最低等級を維持しているため大きな差はありません。
4年間で月額の差は最大185円です。

4年間一貫して役員報酬を月額62,999円(最低等級の上限ギリギリ)に設定しています。
この金額は一度も変更していません。

維持費を差し引いた「本当のコスト」

社会保険料だけで判断してはいけません。
マイクロ法人には維持費がかかるからです。

私の場合、マイクロ法人の年間維持費は約43万円です(内訳は「マイクロ法人の維持費と設立費用【4年分の実額公開】」で詳しく公開しています)。

マイクロ法人の年間コストをまとめると以下のようになります。

項目年額
社会保険料約27.7万円
維持費(法人住民税・税理士・会計ソフト等)約43万円
マイクロ法人の年間コスト合計約70.7万円

この約70.7万円が、個人事業主のまま国保+国民年金を払い続ける場合のコストより安いかどうかが、二刀流を始める判断基準になります。

ただし、私の場合はマイクロ法人を設立した段階で法人と個人の収入の配分を調整しており、法人では内部留保を貯める方針で運営しています。
そのため、単純に「国保だったらいくら」という比較は個人の状況によって大きく変わります。

大切なのは、自分の所得と家族構成で事前にシミュレーションすることです。
前のセクションの比較表を参考に、ご自身の国保+国民年金の概算と比べてみてください。

社会保険料を最安にする役員報酬の設定方法

社会保険料を最安にするには、役員報酬の設定がすべてです。

月額63,000円未満がベストな理由

協会けんぽの保険料は「標準報酬月額」の等級で決まります。
等級表の1等級(最低等級)の範囲は、報酬月額58,000円〜63,000円未満です。

つまり、月額63,000円未満であれば社会保険料は最低額になります。

ここでポイントになるのは、63,000円未満の範囲内なら金額をいくらにしても社会保険料は同じだということです。
月額45,000円でも62,999円でも、保険料は変わりません。

であれば、同じ保険料なら手取りが多いほうが得です。
私が月額62,999円に設定しているのはこの理由です。
最低等級の上限ギリギリで社保最安を確保しつつ、法人から受け取る金額を最大化しています。

「45,000円以下で所得税ゼロ」は気にしなくていい

ネット上では「役員報酬を月額45,000円以下にすれば所得税ゼロになる」という情報をよく見かけます。
年間54万円なら給与所得控除55万円の範囲内に収まるという理屈です。

しかし、個人事業主との二刀流の場合、確定申告で個人事業の所得と役員報酬が合算されます。
法人の役員報酬だけで所得税をゼロにしても、最終的な税額は個人事業の所得で決まります。

つまり、法人単体で所得税ゼロを狙うために役員報酬を抑える必要はありません。
社保の最低等級を維持できる63,000円未満のギリギリに設定するのが合理的です。

定期同額給与のルール

役員報酬は自由に変更できるわけではありません。
法人税法上、「定期同額給与」として毎月同じ金額を支給する必要があります。
金額を変更できるのは原則として事業年度開始から3ヶ月以内のみ。
年度の途中で気軽に変えることはできないので、設立時に慎重に決めてください。

私の場合

私は月額62,999円を設立当初から4年間変えていません。
最低等級の上限ギリギリで、社会保険料は最安のまま、法人からの受取額は最大化しています。

マイクロ法人でFIREを目指す方法については「マイクロ法人でFIREを実現する7つの方法【資産運用×節税】」で詳しく書いています。

二刀流で社会保険料を最安にするときの注意点

社会保険料を最安にできる二刀流ですが、注意すべきポイントもあります。

法人と個人事業で業種を分ける

マイクロ法人と個人事業で同じ業種を営むことはできません。
同一業種だと「所得を意図的に分散させている」と税務署に判断されるリスクがあります。
必ず明確に異なる業種にしてください。

私の場合は以下のように分けています。

  • 法人:Web制作(ブログ・SNS含む)、賃貸マンション(建物)の運営
  • 個人:土地の賃貸(法人へ)、個人投資家

法人では事業収入を得て内部留保を貯め、個人では土地を法人に賃貸する形で収入を得ています。
このように法人と個人で事業の性質を明確に分けることが大切です。

維持費との損益分岐を事前に計算する

マイクロ法人には法人住民税(年間約7万円)、税理士報酬、会計ソフト代などの維持費がかかります。
社会保険料の削減額がこの維持費を含めた法人コストを上回らなければ、設立するメリットはありません。

目安として、個人事業の年間所得が200万円以上(扶養家族がいない場合)あれば、削減効果が法人コストを上回るケースが多いです。
設立前に必ず試算することをおすすめします。

年金受給額への影響を理解しておく

役員報酬を最低等級に設定すると、将来の厚生年金の受給額は少なくなります。
ただし、個人事業主のままだと国民年金しか受け取れないのに対し、マイクロ法人では厚生年金に加入できるため、最低等級でも国民年金だけの場合より受給額は増えます。

つまり「厚生年金に加入できること自体がメリット」であり、デメリットというよりは理解しておくべきポイントです。

会社員にはこのメリットはない

この社会保険料のメリットは、あくまで個人事業主との二刀流の場合に限ります。

会社員の方がマイクロ法人を設立しても、すでに勤務先の社会保険に加入しているため、両方の会社で社会保険料が発生します。
社会保険料の節約にはなりませんので、ご注意ください。

マイクロ法人の設立に使ったサービス

私がマイクロ法人を設立するときに使ったのは、マネーフォワード クラウド会社設立です。

電子定款の作成から法務局への登記申請書類の準備まで、ほぼすべての手続きをオンラインで進めることができました。
電子定款を使うことで、紙の定款に必要な収入印紙代40,000円も不要になります。

設立後は年金事務所で社会保険の新規適用手続きを行い、協会けんぽ+厚生年金への加入が完了します。

設立時にはfreee会社設立も試しましたが、どちらも画面の案内どおりに入力するだけで書類が完成する点はほぼ同じでした。
最終的にマネーフォワードを選んだのは、設立後の会計ソフトとの連携が決め手です(詳しくは「マイクロ法人の維持費と設立費用【4年分の実額公開】」で書いています)。

設立手順の詳細は「マイクロ法人の作り方」、マネーフォワードの使用感は「マネーフォワード クラウド会社設立のリアルな感想」で詳しく書いています。

まとめ|社会保険料を最安にする条件

この記事のポイントをまとめます。

マイクロ法人の社会保険料は、役員報酬を月額63,000円未満に設定することで最低等級になり、年額約27.7万円で済みます。
個人事業主のまま国民健康保険+国民年金を支払い続ける場合と比べると、年間数十万円の差額が生まれます。

ただし、マイクロ法人には維持費がかかるため、「社会保険料の削減額と維持費を含めた法人コスト全体」で考えることが大切です。

私は4年間この二刀流を続けてきましたが、法人コストを含めても個人事業主のままの場合より確実にメリットが残っています。
まだ個人事業主だけで国保を払っている方は、一度試算してみることをおすすめします。

マネーフォワード クラウド会社設立なら、設立費用をシミュレーションしながら無料で手続きを始められます。

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